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あれから六年か〜
 指導員  地原 孝

 平成一八年五月に喉頭摘出手術、放射線治療後の再発でした。鼻からの流動食生活六ヶ月、計六回の手術の繰返し、十ヶ月の入院生活の末、翌十九年三月 に退院して直ぐ主治医の紹介で銀鈴会に入会しました。

「本当に声、出るのかなあ」と最初は指導員、上級の方々の喋りに感心しつつ通いました。 夢中でしたので、第一声が出たのがいつか、はっきり覚えていません。
 その後声は出たのですが、私の場合複雑な再建の為、手で頸部を押さえないと声にならず、何度も手を外して挑戦しましたが叶わず、断念し今に至っています。
でも最近、入会者の皆様を見ると再建等複雑な手術の方が多く、非常に発声が難しくなっています。 型はどうあれ、とにかく食道に空気を入れて、先ず一声!・・をモットーに毎回皆様と教室で向き合っています。
また昨年六月、何時もの定期検診で今度は肺癌が見つかり、八月に横腹から背中への切開手術、幸いに初期の段階で右肺の三分の一の切除で済み、 丁度一年が経過したところです。喉に傷、腕に傷、胸に傷背中に傷、さぞ天国の両親も呆れていると思います。
でも何とか元気でここまで少しでも喋れるようになり、多くの仲間が出来て、生甲斐を与えてくれた此の会「神奈川銀鈴会」のお陰と思い、 感謝、感謝!創立四〇周年、万歳〜! これからもヨロシク〜。 あっという間の六年間でした。


神奈川銀鈴会の会報第40号(平成25年)から掲載しました